「不動産投資を始めたいけど、何から手をつければいいか分からない…」
そんな悩みをお持ちのあなたへ。
不動産投資で成功するには、まず「利回り」について理解することが重要です。
利回りとは、投資した金額に対してどれだけの利益が見込めるかを示す指標。
しかし、利回りだけを重視した物件選びには、思わぬ落とし穴も潜んでいます。
この記事では、不動産投資初心者に向けて、利回りの基礎知識から、エリア別利回り相場、物件の種類ごとのメリット・デメリットまで、分かりやすく解説します。
さらに、失敗しないための注意点や、高利回り物件を見つけるためのポイントも紹介。
この記事を読めば、あなたに最適な物件選びの基準と、不動産投資の成功へ繋がる一歩を踏み出せるはずです。
1. 利回りとは?
不動産投資において、物件の収益性を測る上で重要な指標となるのが「利回り」です。利回りとは、投資した金額に対して、どれだけの利益を得られるかを示す割合のことです。不動産投資では、一般的に「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。
1.1 表面利回り
表面利回りとは、物件の購入価格に対する年間の家賃収入の割合を示したものです。計算式は以下の通りです。
表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100%
例えば、1,000万円で購入した物件から、年間100万円の家賃収入が得られる場合、表面利回りは10%となります。
表面利回りは、物件の収益性を簡易的に把握する上で便利な指標ですが、実際には、不動産取得にかかる費用や、物件の維持管理費などを考慮に入れていません。そのため、表面利回りだけで物件の収益性を判断することは危険です。
1.2 実質利回り
実質利回りとは、表面利回りから、不動産取得にかかる費用や物件の維持管理費などを差し引いた、実際の収益性を示したものです。計算式は以下の通りです。
実質利回り = (年間家賃収入 – 諸費用) ÷ (物件価格 + 購入時諸費用) × 100%
- 諸費用:固定資産税、都市計画税、管理費、修繕積立金、火災保険料、賃貸管理手数料など
- 購入時諸費用:不動産取得税、登録免許税、司法書士報酬、ローン手数料など
実質利回りは、表面利回りよりも正確に物件の収益性を把握することができます。ただし、修繕費用など、発生するタイミングや金額が予測しにくい費用もあるため、あくまで目安として考えることが重要です。
実質利回りを計算する際には、不動産計算ツール|堤エステートを活用するのも有効です。
不動産投資を行う際には、表面利回りだけでなく、実質利回りも考慮し、総合的に判断することが重要です。
ちなみに、利回りに関連する内容として、以下の記事もおすすめです。
2. 利回りだけで判断すると思わぬ落とし穴も!?
不動産投資において、利回りは重要な指標の一つですが、利回りだけで物件の良し悪しを判断してしまうのは危険です。なぜなら、利回りだけに注目すると、収익を圧迫する隠れたコストや、将来的なリスクを見落としてしまう可能性があるからです。
2.1 表面利回りに惑わされない
不動産投資の広告などでは、高い「表面利回り」を謳っているのをよく見かけます。しかし、表面利回りはあくまで「年間の家賃収入 ÷ 物件価格」で算出された数値であり、実際の収益力を正確に反映しているわけではありません。物件の購入費用やローン手数料、固定資産税、管理費、修繕費などの諸費用は考慮されていません。これらの費用を差し引いた「実質利回り」で判断することが重要です。
2.2 実質利回りを計算して収益力を把握する
実質利回りは、「(年間家賃収入 − 年間諸費用) ÷ (物件価格 + 購入時諸費用)」で計算することができます。実質利回りを計算することで、実際に手元に残る収益を把握することができます。たとえば、表面利回り10%の物件でも、諸費用を考慮すると実質利回りが5%になってしまうことも珍しくありません。購入前に必ず実質利回りを計算し、収益性を確認しましょう。
2.3 空室リスクを考慮する
不動産投資において、空室は大きなリスクとなります。空室が発生すると、その期間の家賃収入はゼロとなり、収益を圧迫することになります。利回りだけに注目して、入居需要の低い物件を選んでしまうと、空室リスクが高まります。物件の立地や周辺環境、競合物件の状況などを考慮し、空室リスクを最小限に抑えることが重要です。
| エリア | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 都心 | 入居需要が高く、空室リスクが低い | 物件価格が高く、利回りが低くなる傾向がある |
| 郊外 | 物件価格が安く、利回りが高くなる傾向がある | 入居需要が低く、空室リスクが高くなる場合がある |
2.4 物件の状態や築年数も確認
築年数が経過した物件や、状態の悪い物件は、修繕費用がかさむ可能性があります。修繕費用は、実質利回りを大きく左右するため、注意が必要です。物件を購入する前に、必ず内覧を行い、状態をしっかりと確認しましょう。また、過去の修繕履歴なども確認することで、将来的な修繕費用の見積もりを立てることができます。たとえば、給湯器やエアコンなどの設備は、10年〜15年程度で交換が必要となることが多いです。これらの費用も考慮に入れておきましょう。
2.5 金利上昇リスクに備える
不動産投資では、ローンを利用することが一般的ですが、金利上昇は大きなリスクとなります。金利が上がると、ローンの返済額が増え、収益を圧迫することになります。近年は、低金利が続いていますが、将来的な金利上昇の可能性も考慮しておく必要があります。金利上昇リスクに備えるためには、固定金利型のローンを選択したり、繰り上げ返済を検討したりするなどの対策が考えられます。また、不動産投資ローンはどの銀行がオススメ?金利ランキングや審査基準の比較も | モゲチェックなどを活用して、金利の低い金融機関を探してみるのも良いでしょう。
3. 【エリア別】不動産投資に人気のエリアと利回り相場
不動産投資を行う上で、エリア選びは非常に重要です。エリアによって利回り相場や物件価格、賃貸需要などが大きく異なるため、事前にしっかりとリサーチしておく必要があります。ここでは、不動産投資に人気のエリアとその特徴、利回り相場について解説していきます。
3.1 東京都
東京都は、日本の中心地として政治・経済・文化の中心地であり、人口も多いため、賃貸需要が非常に高いエリアです。そのため、他のエリアと比べて物件価格は高額になりますが、安定した収入を得られる可能性が高いと言えるでしょう。特に、単身者向けのワンルームマンションや1K・1LDKマンションは人気が高く、利回りも比較的安定しています。
| エリア | 特徴 | 利回り相場 |
|---|---|---|
| 新宿区 | 都庁所在地、ビジネス街、繁華街、交通の便が良い | 4%〜5% |
| 渋谷区 | 若者文化の中心地、商業施設が多い、交通の便が良い | 3%〜4% |
| 港区 | 大使館や外資系企業が集まる、高級住宅街、国際色豊か | 2%〜3% |
出典: 不動産投資の利回りは何%が理想なのか?エリア別の利回り相場を解説|ウェルスハック
3.1.1 東京都内の投資に適したエリア選びのポイント
- 交通利便性: 駅からの距離や複数の路線が利用できるかなど、アクセスが良い場所を選ぶ
- 生活利便性: スーパーやコンビニ、病院などの生活に必要な施設が充実しているか
- 治安の良さ: 女性やファミリー層の入居を希望する場合は、特に治安面も重視する
- 将来性: 再開発計画など、将来的な資産価値の上昇が見込めるエリアを選ぶ
補足として、関連記事を紹介します。ぜひ合わせてチェックしてみてください。
3.2 大阪府
大阪府は、東京に次ぐ大都市であり、関西経済の中心地として発展を続けています。特に、大阪市は商業施設や観光スポットが集中しており、賃貸需要も高いエリアです。東京都と比べると物件価格は比較的安く、利回りが高い傾向にあります。そのため、高利回り投資を目指す投資家に人気があります。
| エリア | 特徴 | 利回り相場 |
|---|---|---|
| 大阪市中央区 | 大阪の中心地、商業施設やオフィスビルが集中 | 5%〜6% |
| 大阪市北区 | 梅田や大阪駅周辺、交通の便が良い、再開発が進んでいる | 4%〜5% |
| 大阪市天王寺区 | 天王寺駅周辺、交通の便が良い、商業施設や文化施設が充実 | 4%〜5% |
出典: 大阪で不動産投資をするメリットとは? おすすめエリアと利回りの相場を要チェック|RENOSY マガジン
3.2.1 大阪府内の投資に適したエリア選びのポイント
- 大阪市中心部へのアクセス: 大阪市は通勤・通学需要が高いため、中心部へのアクセスが良いエリアを選ぶ
- 再開発エリア: 再開発によって街の価値が高まり、賃貸需要や資産価値の上昇が見込める
- 観光客向け: 大阪は観光都市としても人気があり、民泊やゲストハウス経営も選択肢となる
3.3 福岡県
福岡県は、九州地方最大の都市である福岡市を中心に発展しており、近年人口増加が著しいエリアです。アジア圏からの観光客も多く、ビジネス拠点としても注目されています。福岡市は、コンパクトシティとして知られており、生活利便性が高いことも魅力です。物件価格は、東京や大阪と比べるとまだ割安感があり、利回りも比較的高い傾向にあります。そのため、将来的な値上がりも期待できるエリアとして注目されています。
| エリア | 特徴 | 利回り相場 |
|---|---|---|
| 福岡市中央区 | 福岡市の中心地、商業施設やオフィスビルが集中 | 4%〜5% |
| 福岡市博多区 | 博多駅周辺、交通の便が良い、再開発が進んでいる | 5%〜6% |
| 福岡市南区 | 住宅街が広がる、ファミリー層に人気、住環境が良い | 6%〜7% |
出典: 福岡で不動産投資を成功させるための戦略とおすすめエリアを紹介|不動産Leap Up
3.3.1 福岡県内の投資に適したエリア選びのポイント
- 福岡市中心部へのアクセス: 福岡市はコンパクトシティではあるものの、中心部へのアクセスが良い場所が望ましい
- 再開発エリア: 福岡市は再開発が盛んであり、街の成長に伴う資産価値の上昇が見込める
- 学生向け: 福岡市には大学が多く、学生向け賃貸物件の需要が高い
上記はあくまでも一般的な傾向であり、エリアや物件によって利回りやリスクは異なります。不動産投資を行う際は、必ずご自身で詳細な調査を行い、慎重に判断する必要があります。
4. 不動産投資物件の種類とそれぞれのメリット・デメリット
不動産投資の物件は、大きく分けて「マンション」「アパート」「一戸建て」の3種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、投資目標や戦略に合った物件を選ぶことが重要です。
4.1 マンション
4.1.1 メリット
- 需要が高い:駅近や都心部などの人気エリアに多く、賃貸需要が高いため、空室リスクが比較的低い傾向にあります。セキュリティ面も充実しているため、単身者やファミリー層など、幅広い層に人気です。
- 管理の手間が少ない:共有部分の清掃や設備の管理は管理会社が行うため、自分で管理する手間が少なくて済みます。建物の修繕なども管理組合に任せられるため、手間や時間を節約できます。
- 資産価値が下落しにくい:立地や築年数にもよりますが、アパートや一戸建てと比べて資産価値が下落しにくい傾向にあります。そのため、売却益も見込みやすいと言えるでしょう。
4.1.2 デメリット
- 価格が高い:アパートや一戸建てに比べて価格が高いため、多額の初期費用が必要になります。そのため、融資の審査が厳しくなる可能性もあります。
- 競争が激しい:マンション投資は人気が高いため、競争が激しく、希望する条件の物件を見つけるのが難しい場合があります。また、利回りが低くなる傾向もあります。
- 大規模修修が必要になる場合がある:マンションは共有部分が多いため、大規模修繕が必要になる場合があります。大規模修繕には多額の費用がかかるため、修繕積立金の額や推移は事前に確認しておく必要があります。
4.2 アパート
4.2.1 メリット
- 価格が安い:マンションに比べて価格が安いため、少ない資金で投資を始められます。そのため、融資の審査も通りやすい傾向にあります。
- 利回りが高い:価格が安いため、マンションに比べて利回りが高くなる傾向にあります。また、自分で管理することで、さらに利回りを高めることも可能です。
- 自由度が高い:間取りや設備などを自由に決めることができます。そのため、ターゲットとする入居者に合わせた物件作りが可能です。
4.2.2 デメリット
- 空室リスクが高い:マンションに比べて空室リスクが高くなる傾向にあります。特に、立地や建物の状態が悪い場合は、空室が長期間続く可能性もあります。築年数が経過すると、家賃収入が減少する可能性も考慮する必要があります。
- 管理の手間がかかる:自分で管理を行う場合は、清掃や設備の管理、入居者対応など、手間がかかります。管理会社に委託することもできますが、その分、費用がかかります。
- 資産価値が下落しやすい:マンションに比べて資産価値が下落しやすい傾向にあります。特に、木造アパートは、耐用年数が短いため、注意が必要です。
4.3 一戸建て
4.3.1 メリット
- 高いプライバシー性:アパートやマンションと比べて、プライバシー性が高いことが魅力です。庭付きの一戸建てであれば、ガーデニングなどの趣味を楽しむこともできます。騒音問題なども発生しにくいため、ファミリー層に人気があります。
- 自由なリフォームが可能:自分の好みに合わせて、自由にリフォームすることができます。間取りを変更したり、増築したりすることで、資産価値を高めることも可能です。
- 相続税対策になる:土地と建物を所有するため、相続税対策として有効な手段となります。特に、土地の評価額は建物よりも高くなる傾向があるため、節税効果が期待できます。
4.3.2 デメリット
- 流動性が低い:マンションやアパートと比べて、流動性が低いため、売却に時間がかかる場合があります。また、買い手がつかない場合は、希望価格よりも低い価格で売却せざるを得ない可能性もあります。
- 管理の手間がかかる:アパートと同様に、自分で管理を行う場合は、手間がかかります。庭木の手入れや、屋根や外壁の修繕など、定期的なメンテナンスも必要になります。
- 自然災害のリスク:地震や台風などの自然災害によって、建物が損壊するリスクがあります。火災保険などに加入することで、リスクを軽減することができますが、保険料の負担も大きくなります。
上記はあくまで一般的な傾向であり、物件の立地や状態、市場環境などによって異なります。不動産投資を行う際は、事前に十分な調査を行い、国土交通省などの公的機関の情報も参考にしながら、慎重に判断することが重要です。
5. 初心者にオススメ!利回り重視の物件選びのポイント
不動産投資において、物件選びは最も重要な要素の一つです。特に利回りを重視する初心者の方は、以下のポイントを押さえて物件を選びましょう。
5.1 価格が安く、高利回り物件を見つける
不動産投資の初心者にとって、高利回り物件は魅力的ですが、価格が高額になりがちです。そこで、まずは価格が安く、利回りが高い物件を探すことが重要です。築年数が経過している物件や、駅から少し離れた物件などを検討してみましょう。ただし、安易に高利回り物件に飛びつくのではなく、物件の状態や周辺環境などをしっかりと確認することが大切です。
5.1.1 不動産投資サイトを活用する
一棟マンション投資やアパート経営など、不動産投資と一口に言っても様々な種類があります。希望する不動産投資の規模感や種類を明確にした上で、数ある不動産投資サイトの中から自分に合ったサイトを見つけ、効率的に物件を探してみましょう。 有名な不動産投資サイトには、楽待や健美家などがあります。
5.2 融資を活用する
不動産投資は多額の資金が必要となるため、自己資金だけで購入する人は多くありません。そこで、金融機関からの融資を活用することが一般的です。融資を受けるためには、金融機関の審査に通る必要があります。金融機関は、返済能力や物件の担保価値などを総合的に判断して審査を行います。
自己資金が少ない場合や、より多くの物件を購入したい場合は、積極的に融資を活用することを検討しましょう。
5.2.1 金融機関の選び方
不動産投資ローンを取り扱っている金融機関は数多く存在します。 主なものとしては、メガバンク、地方銀行、信用金庫、ネット銀行などです。 それぞれ特徴が異なるため、自分に合った金融機関を選ぶようにしましょう。 例えば、メガバンクは、知名度や信頼性が高い一方で、審査が厳しい傾向にあります。 地方銀行は、地域密着型の営業スタイルで、審査スピードが速いというメリットがあります。 信用金庫は、中小企業や個人事業主向けの金融機関であり、審査が比較的柔軟な場合が多いです。 ネット銀行は、実店舗を持たない分、金利が低めに設定されている傾向にあります。
5.3 不動産投資セミナーに参加する
不動産投資の初心者にとって、不動産投資セミナーへの参加は非常に有効な手段です。 不動産投資セミナーでは、不動産投資の基本知識や物件選びのポイント、税金対策など、幅広い情報を得ることができます。 また、実際に不動産投資を行っている講師から、生の声を聞くことができるのも魅力です。
不動産投資セミナーは、無料のものから有料のものまで、様々な種類があります。 自分に合ったセミナーを選び、積極的に参加してみましょう。
5.3.1 優良な不動産投資セミナーの見分け方
- 主催者が信頼できる会社かどうか
- 講師の経験や実績が豊富かどうか
- セミナーの内容が具体的で実践的かどうか
- 無理な勧誘がないかどうか
セミナーについてもっと知りたい方は、こちらの記事も参考になります。ぜひご覧下さい。
5.4 不動産会社選びも重要
不動産投資では、信頼できる不動産会社を選ぶことが成功の鍵となります。 優良な不動産会社は、顧客の利益を第一に考え、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。 一方、悪質な不動産会社は、高額な物件を無理やり売りつけたり、虚偽の説明をしてきたりする可能性もあるため注意が必要です。
不動産会社を選ぶ際には、実績や評判、対応の丁寧さなどを参考に、慎重に判断しましょう。
5.4.1 信頼できる不動産会社の特徴
- 顧客の立場に立って、親身になって相談に乗ってくれる
- 物件情報が豊富で、顧客のニーズに合った物件を紹介してくれる
- 契約内容や重要事項説明を丁寧に行ってくれる
- アフターフォローが充実している
6. 不動産投資で失敗しないための注意点
6.1 築年数に注意
築年数は、不動産投資において非常に重要な要素です。築年数が経過している物件は、一般的に価格が割安であるため、高利回りを実現しやすいというメリットがあります。しかし、その一方で、以下のような注意点も存在します。
6.1.1 築年数によるリスク
- 建物の老朽化:築年数が経過するにつれて、建物は老朽化し、修繕費用がかさむ可能性が高くなります。特に、屋根や外壁、給排水管などの大規模修繕が必要になった場合は、高額な費用が発生する可能性があります。修繕費用を考慮しないと、想定していた利回りを確保できない可能性があります。
- 設備の老朽化:エアコン、給湯器、キッチンなどの設備も、経年劣化によって故障するリスクが高まります。設備の交換費用も考慮する必要があります。
- 入居者の確保:築年数が古い物件は、入居者にとって魅力が低くなる傾向があります。そのため、空室期間が長くなり、想定していた家賃収入を得られない可能性があります。また、入居者の質が低下する可能性もあります。
6.1.2 築年数が古い物件を選ぶ際のポイント
- 修繕履歴の確認:過去にどのような修繕工事が行われているかをしっかりと確認しましょう。大規模修繕工事の実施時期や内容、今後の修繕計画などを把握しておくことが重要です。
- 物件の状態の確認:実際に物件を内覧し、建物の状態を自分の目で確認することが重要です。ひび割れ、雨漏れの跡、水回りの設備の劣化状況などをチェックしましょう。
- 専門家の意見を聞く:不動産投資の専門家である不動産会社や建築士などに、物件の状態や修繕の必要性について意見を聞くことも有効です。
これらの点に注意しながら、築年数と利回りのバランスを考慮して物件を選ぶことが重要です。
6.2 物件の状態をチェック
不動産投資では、物件の状態をしっかりとチェックすることが重要です。物件の状態によって、修繕費用や入居率に大きな影響を与える可能性があります。ここでは、物件の状態をチェックする際の具体的なポイントを紹介します。
6.2.1 外観チェック
- 外壁:ひび割れ、塗装の剥がれ、汚れなどをチェックします。外壁は、建物の美観を保つだけでなく、雨水や風の侵入を防ぐ役割も果たしています。ひび割れなどを放置すると、雨漏りの原因になる可能性があります。
- 屋根:瓦のズレや破損、雨漏れの跡などをチェックします。屋根は、雨風から建物を守る役割を果たしています。屋根の劣化は、雨漏りの原因になるだけでなく、建物の構造にも影響を与える可能性があります。
- 基礎:ひび割れ、傾きなどをチェックします。基礎は、建物を支える重要な部分です。基礎に問題があると、建物全体の強度が低下する可能性があります。
- 共用部分:エントランス、廊下、階段などの共用部分の状態もチェックします。共用部分は、入居者の印象を左右する重要な部分です。清潔感があるか、照明は十分かなどを確認しましょう。
6.2.2 内観チェック
- 壁・天井:ひび割れ、雨漏れの跡、結露の跡などをチェックします。壁や天井に問題があると、建物の断熱性や気密性に影響を与える可能性があります。
- 床:傾き、沈み、傷などをチェックします。床に問題があると、歩き心地が悪くなるだけでなく、家具の設置にも影響を与える可能性があります。
- 水回り:キッチン、浴室、トイレなどの水回りの設備は、特に気を付けてチェックする必要があります。水漏れ、排水不良、カビの発生などがないかを確認しましょう。水回りの設備は、修繕費用が高額になりやすい部分です。
- 電気設備:照明器具の点灯状態、コンセントの数などをチェックします。電気設備は、入居者の生活に直結する部分です。問題なく使用できるかを確認しましょう。
これらのチェックポイントを参考に、物件の状態をしっかりと確認しましょう。必要であれば、専門家に同行してもらうことも有効です。専門家の意見を聞くことで、より的確な判断ができます。
6.3 空室リスクを考慮する
不動産投資において、空室リスクは避けて通れない課題です。空室が発生すると、その期間の家賃収入を得ることができず、想定していた収益を下回る可能性があります。ここでは、空室リスクを最小限に抑えるためのポイントを紹介します。
6.3.1 需要の高いエリアを選ぶ
空室リスクを低減するためには、賃貸需要の高いエリアに物件を選ぶことが重要です。需要の高いエリアは、一般的に以下のような特徴があります。
- 人口増加エリア:人口が増加しているエリアは、賃貸需要も高くなる傾向があります。特に、若年層の人口が多いエリアは、賃貸需要が高い傾向があります。
- 交通利便性の高いエリア:駅に近い、バス停が近いなど、交通利便性の高いエリアは、賃貸需要が高い傾向があります。
- 生活利便性の高いエリア:スーパー、コンビニ、病院、学校などの生活利便施設が充実しているエリアは、賃貸需要が高い傾向があります。
- 雇用が創出されているエリア:企業の進出などにより、雇用が創出されているエリアは、賃貸需要が高くなる傾向があります。
これらの要素を考慮して、賃貸需要の高いエリアを選びましょう。
6.3.2 物件の魅力を高める
物件自体に魅力があれば、空室リスクを低減することができます。物件の魅力を高めるためには、以下のような方法があります。
- リフォーム:内装や設備を新しくすることで、物件の印象を大幅に向上させることができます。特に、キッチンや浴室などの水回りは、リフォーム効果が高いと言われています。
- リノベーション:間取りを変更するなど、大規模な改修を行うことで、物件の価値を向上させることができます。リノベーションによって、ターゲットとする入居者層を変えることもできます。
- 家具家電の設置:家具家電付きの物件は、入居者にとって魅力的です。特に、単身者や学生は、家具家電付きの物件を好む傾向があります。
- インターネット無料:インターネット無料の物件は、入居者にとって魅力的です。インターネットは、現代の生活において欠かせないインフラとなっています。
これらの方法を組み合わせることで、物件の魅力を高め、空室リスクを低減しましょう。
6.3.3 適切な家賃設定
家賃設定は、空室リスクに大きく影響する要素です。家賃が高すぎると、入居者がなかなか決まらず、空室期間が長くなってしまいます。逆に、家賃が安すぎると、収益が減少し、投資効率が悪くなってしまいます。適正な家賃設定を行うためには、以下の点に注意する必要があります。
- 周辺の家賃相場を調べる:同じエリアにある 近しい条件の物件の家賃を調べることで、適正な家賃水準を把握することができます。不動産情報サイトや不動産会社に問い合わせることで、周辺の家賃相場を調べることができます。
- 物件の特性を考慮する:築年数、間取り、設備、日当たりなどの物件の特性を考慮して、家賃を設定する必要があります。築年数が新しくて、設備が充実している物件は、家賃を高く設定することができます。
- 需要と供給のバランスを考慮する:賃貸需要が高いエリアや時期は、家賃を高く設定することができます。逆に、賃貸需要が低いエリアや時期は、家賃を低く設定する必要があります。
これらの点を総合的に判断して、適切な家賃設定を行いましょう。
6.3.4 賃貸管理会社を活用する
賃貸管理会社は、家賃の集金、入居者募集、クレーム対応などの業務を代行してくれる会社です。賃貸管理会社を活用することで、空室リスクを軽減できるだけでなく、オーナーの負担を軽減することができます。賃貸管理会社には、以下のようなメリットがあります。
- 空室リスクの軽減:賃貸管理会社は、独自のネットワークや広告媒体を使って、積極的に入居者を募集してくれます。そのため、オーナー自身で入居者を探すよりも、空室期間を短縮できる可能性があります。
- クレーム対応:賃貸管理会社は、入居者からのクレームに対応してくれます。オーナーは、入居者と直接やり取りする必要がなくなり、トラブルを回避することができます。
- 家賃滞納の対応:賃貸管理会社は、家賃滞納が発生した場合の督促業務も代行してくれます。オーナーは、家賃滞納の心配を軽減することができます。
賃貸管理会社は、手数料が発生しますが、空室リスクやオーナーの負担を軽減できるというメリットがあります。賃貸管理会社を活用するかどうかは、オーナーの状況や考え方によって判断する必要があります。
6.4 収支計画をしっかり立てる
不動産投資を成功させるためには、収支計画をしっかり立てることが重要です。収支計画を立てることで、投資にかかる費用や得られる収益を明確化し、投資の判断材料とすることができます。また、収支計画を定期的に見直すことで、計画と実績の差異を把握し、必要に応じて対策を講 se じることができます。
6.4.1 収入の項目
不動産投資における収入は、家賃収入がメインとなります。家賃収入は、毎月の安定収入となるため、不動産投資の魅力の一つと言えます。家賃収入以外にも、以下のような収入があります。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 家賃収入 | 入居者から毎月受け取る家賃のことです。 |
| 礼金 | 賃貸借契約を締結する際に、入居者が貸主に支払うお金のことです。地域や物件によって金額が異なりますが、一般的には家賃の1~2ヶ月分が相場です。 |
| 更新料 | 賃貸借契約を更新する際に、入居者が貸主に支払うお金のことです。地域や物件によって金額が異なりますが、一般的には家賃の1ヶ月分が相場です。 |
| 敷金 | 賃貸借契約を締結する際に、入居者が貸主に預けるお金のことです。退去時に、原状回復費用や未払い家賃などに充当されます。敷金は、家賃の1~2ヶ月分が相場です。 |
6.4.2 支出の項目
不動産投資には、様々な費用が発生します。費用を把握しておくことで、収支計画を正確に立てることができます。主な費用は以下の通りです。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 物件購入費用 | 物件の購入にかかる費用のことです。物件価格の他に、不動産仲介手数料、登録免許税、不動産取得税などがかかります。 |
| ローン返済費 | 物件購入時にローンを利用した場合、毎月返済していく費用です。金利を含めた返済額を把握しておく必要があります。 |
| 管理費・修繕積立金 | マンションやアパートなどの区分所有物件の場合、毎月支払う費用です。管理費は、共用部分の清掃や管理、 セキュリティなどに充てられます。修繕積立金は、将来の大規模修繕に備えて積み立てられます。 |
| 固定資産税・都市計画税 | 不動産を所有していると、毎年支払う必要のある税金です。固定資産税は、土地や建物の価値に応じて課税されます。都市計画税は、都市計画区域内に所在する土地や建物に対して課税されます。 |
| 火災保険料 | 火災や地震などの災害に備えて加入する保険です。保険料は、物件の構造や所在地、保険金額などによって異なります。 |
| 賃貸管理費 | 賃貸管理会社に管理を委託する場合に支払う費用です。家賃の集金や入居者の募集、クレーム対応などを代行してくれます。 |
| 修繕費用 | 物件の老朽化や故障などに応じて、必要に応じて発生する費用です。内装のクロスの張り替えや、エアコンの交換、給湯器の交換などが挙げられます。 |
6.4.3 キャッシュフロー計算
不動産投資におけるキャッシュフローとは、収入から支出を差し引いた金額のことです。キャッシュフローがプラスであれば、投資によって利益が出ていることを意味します。逆に、キャッシュフローがマイナスであれば、投資によって損失が出ていることを意味します。キャッシュフローは、不動産投資の 収益性を判断する上で、非常に重要な指標となります。キャッシュフローを計算する際には、収入と支出を正確に把握することが重要です。収入は、家賃収入だけでなく、礼金や更新料などの臨時収入も含める必要があります。支出は、ローン返済費や管理費などの固定費だけでなく、修繕費などの変動費も含める必要があります。キャッシュフローがプラスになるように、収入を増やす、支出を減らすなどの工夫をしましょう。
6.4.4 投資利回り
不動産投資の収益性を測る指標として、投資利回りがあります。投資利回りとは、投資額に対して、どれだけの利益を得られるかを示す指標です。投資利回りには、以下の2種類があります。
- 表面利回り:表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100
表面利回りは、物件価格に対する年間家賃収入の割合を表しています。物件価格が安く、家賃収入が高いほど、表面利回りは高くなります。 - 実質利回り:実質利回り = (年間家賃収入 – 年間支出) ÷ (物件価格 + 購入時諸費用) × 100
実質利回りは、物件価格と購入時諸費用に対する、年間家賃収入から年間支出を差し引いた金額の割合を表しています。物件価格が安く、家賃収入が高く、支出が少ないほど、実質利回りは高くなります。
不動産投資を行う際には、表面利回りだけでなく、実質利回りも考慮することが重要です。実質利回りを確認することで、より正確な投資収益性を判断することができます。
これらの要素を踏まえ、不動産投資に関する情報サイトなども参考にしながら、ご自身でしっかりと収支計画を立て、無理のない不動産投資を行いましょう。
7. まとめ
今回は、不動産投資初心者の方に向けて、物件選びの際に重要な「利回り」に焦点を当て、解説しました。
利回りには表面利回り、実質利回りがあると理解し、物件の価格や状態、エリアなどを考慮して選ぶことが大切です。
高利回り物件を見つけるためには、価格が安く、融資を活用できる物件を探しましょう。
また、不動産投資セミナーに参加したり、信頼できる不動産会社を選んだりすることも重要です。
不動産投資はリスクもありますが、しっかりと計画を立て、注意点を押さえることで、安定した収入源を得ることができます。





