初心者必見!ベトナム不動産投資の購入ガイドと必要書類、これで安心のステップバイステップ

ベトナム不動産投資

ベトナム不動産投資に興味はあるけれど、「何から始めればいいの?」「必要な書類は?」「外国人でも買えるの?」といった疑問や不安をお持ちではありませんか?

本記事では、成長著しいベトナムの不動産市場で、あなたが安心して投資を始められるよう、購入ガイドから必要書類、費用、税金、さらには潜在的なリスクと対策まで、ステップバイステップで徹底解説します。
外国人による不動産所有の基本ルールや、具体的な購入手続き、契約時に必要な書類一覧も網羅。

この記事を読めば、ベトナムでの不動産購入の全体像が掴め、自信を持って次の一歩を踏み出せるでしょう。

コジタク

業界歴18年。累計2000組以上の売買取引を担当。自身も100件以上の不動産を購入・売却の経験。自身で金融機関17行を開拓した経験から、金融機関の開拓の仕方・条件交渉のポイント・融資額を最大限に引き出すテクニックを軸に『収益不動産Labo』をスタートし多くの投資家をサポート。テクノロジーを使った収益不動産の分析が強み。”失敗しない不動産投資”を再現性高く結果を出している。

1. ベトナム不動産投資を始める前に知るべきこと

黒色のペンで書類にたくさんの英語を書いているイラスト

ベトナム不動産投資は、その成長性と潜在力から近年注目を集めていますが、成功するためには市場の特性や投資環境を深く理解することが不可欠です。本章では、なぜ今ベトナムが投資先として魅力的なのか、そして主要都市の不動産市場がどのような動向を示しているのかを詳しく解説します。これらの基礎知識を身につけることで、より賢明な投資判断を下し、リスクを低減することにつながるでしょう。

1.1 なぜ今、ベトナム不動産投資が注目されるのか

ベトナムは、その目覚ましい経済成長と有利な人口構成により、世界の投資家から熱い視線を浴びています。不動産投資の観点からも、以下のような複数の要因がその魅力を高めています。

  • 堅調な経済成長: ベトナムはASEAN地域の中でも特に高いGDP成長率を維持しており、これは国民の購買力向上と都市化の加速に直結しています。経済成長は不動産需要を押し上げ、資産価値の上昇に寄与します。
  • 若く豊富な労働人口: 全人口の約半分が35歳以下という非常に若い人口構成は、今後も長期的な労働力と消費の基盤を提供します。中間所得層の拡大は、住宅購入や賃貸需要を旺盛にし、不動産市場を活性化させる要因となります。
  • 積極的な外資導入(FDI): 政府は海外からの直接投資を積極的に誘致しており、多くの多国籍企業がベトナムに進出しています。これにより、工業団地の開発やオフィス、従業員向け住宅の需要が生まれ、不動産市場全体に好影響を与えています。
  • 政府によるインフラ投資: 交通網の整備(高速道路、地下鉄、空港拡張など)やスマートシティ化への取り組みが活発に行われています。これらのインフラ整備は、都市の利便性を高め、周辺地域の不動産価値を向上させる重要な要素です。
  • 外国人による不動産所有権の緩和: 2015年の住宅法改正により、外国人の不動産所有が以前よりも容易になりました。これにより、海外からの投資家がベトナムの不動産市場に参入しやすくなったことも、注目度が高まっている大きな理由の一つです。

1.2 ベトナムの主要都市と不動産市場の動向

ベトナムの不動産市場は、地域によって異なる特性と動向を示しています。主要な都市の市場状況を理解することは、投資戦略を立てる上で非常に重要です。

以下に、主要3都市の不動産市場の概況をまとめました。

都市名主要な特徴不動産市場の動向主な投資対象
ホーチミン市ベトナム最大の経済都市であり、商業、金融、文化の中心地。若者やビジネスパーソンが多く集まる。高層コンドミニアムやオフィスビルの開発が活発。 地価・物件価格はベトナムで最も高く、賃貸利回りも比較的安定。 都市鉄道(メトロ)整備による交通利便性の向上が期待されるエリアが多い。 投資家からの人気が最も高い。サービスアパートメント、高級コンドミニアム、商業施設、オフィス
ハノイベトナムの首都であり、政治、行政、教育の中心地。政府機関や大学が多く集まる。ホーチミン市に次ぐ規模の市場で、比較的安定した成長を見せる。 住宅需要が堅調で、ファミリー層向けの物件が人気。 外国人駐在員向けの賃貸需要も高い。 文化的な要素が強く、歴史的建造物も多い。中級〜高級コンドミニアム、サービスアパートメント、学生向け賃貸物件
ダナン中部ベトナム最大の都市で、美しいビーチと国際空港を持つ主要な観光都市リゾート不動産やホテル、ヴィラの開発が盛ん。 観光客の増加に伴い、短期賃貸物件の需要が高い。 政府による観光インフラへの投資が積極的。 セカンドハウスや投資用リゾート物件として注目される。リゾートヴィラ、コンドテル(コンドミニアム型ホテル)、サービスアパートメント

これらの都市はそれぞれ異なる投資機会を提供しており、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて最適な地域を選択することが重要です。都市の経済成長率、人口動態、インフラ整備計画、そして政府の政策などを総合的に分析し、賢明な投資判断を下しましょう。

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2. 外国人によるベトナム不動産購入の基本ルール

2.1 外国人の不動産所有権と期間

ベトナムにおける外国人の不動産所有は、かつては非常に制限されていましたが、2015年7月1日に施行された改正住宅法により、大幅に緩和されました。これにより、特定の条件を満たす外国人もベトナム国内の不動産を合法的に購入し、所有することが可能になりました。

しかし、ベトナムの土地は国家が所有しており、外国人が購入できるのは「建物」とその土地の「土地使用権」です。土地そのものの所有権が外国人個人に付与されることはありません。

外国人が購入した不動産の所有期間は、原則として50年間と定められています。この期間は、特定の条件(例えば、ベトナム人配偶者を持つ場合など)を満たすことで、さらに延長することが可能です。延長手続きは、期間満了前に所定の手続きを行う必要があります。

また、所有期間中であっても、購入した不動産は売却、賃貸、相続などの権利を行使することができます。これは、ベトナム人所有者と同様の権利が付与されることを意味します。

2.2 購入可能な不動産の種類と制限

外国人がベトナムで購入できる不動産の種類には、いくつかの制限があります。主に購入が許可されているのは、以下の種類の不動産です。

  • アパートメント(コンドミニアム):最も一般的な購入対象です。分譲マンションの一室が該当します。
  • 戸建て住宅(ヴィラ、タウンハウス):特定の開発プロジェクト内で販売される戸建て住宅に限定されます。個人が所有する土地付きの一戸建て住宅を直接購入することは原則としてできません。

これらの不動産を購入する際にも、以下の重要な制限が設けられています。

項目詳細備考
アパートメントの総戸数制限一つの住宅プロジェクト(マンション全体)において、外国人所有が可能な戸数は総戸数の30%までと定められています。この制限は、プロジェクト全体の外国人所有比率を管理するためのものです。
戸建て住宅の総戸数制限一つの行政区画(例:区、郡)内、または特定のプロジェクト内において、外国人が所有できる戸建て住宅の総戸数には上限があります。例えば、特定の区画内で250戸まで、あるいはプロジェクト総戸数の10%までといった具体的な制限が地域やプロジェクトによって適用されることがあります。国防・治安上の重要地域に指定されている場所では、購入が一切認められていません。
個人名義の購入数制限現行の法律では、外国人個人が購入できる不動産の数に上限は設けられていません。複数の物件を所有することが可能です。ただし、購入後の税務申告や管理、将来の売却などを考慮し、適切な投資計画を立てることが重要です。

これらのルールは、ベトナムの住宅法および関連する政令によって定められており、投資を検討する際には常に最新の法規を確認し、専門家のアドバイスを得ることが不可欠です。

3. ベトナム不動産購入ガイド ステップバイステップ

明かりが灯っている赤い屋根の一軒家の前で四人の人間が立って話し合いをしている、その横に電卓が置いてあるイラスト

ベトナムでの不動産購入は、現地の法律や慣習を理解した上で慎重に進める必要があります。ここでは、物件の選定から最終的な登記完了までの主要なステップを順を追って解説します。

3.1 ステップ1 物件選定と情報収集

ベトナムでの不動産投資を成功させるためには、事前の徹底した情報収集と物件選定が最も重要です。

まず、投資目的(賃貸収入、キャピタルゲイン、自己利用など)と予算、希望するエリア、物件の種類(コンドミニアム、戸建て、土地など)を明確にしましょう。ベトナムの主要都市であるホーチミンやハノイは、それぞれ異なる市場特性を持っています。

次に、信頼できる不動産仲介業者や開発業者を見つけることが不可欠です。現地の法律や市場に精通したプロフェッショナルのサポートは、トラブルを避ける上で非常に役立ちます。オンラインでの情報収集だけでなく、可能であれば現地を訪れ、実際に物件を見学し、周辺環境やインフラ整備状況を確認することをおすすめします。

物件を絞り込む際には、以下の点に特に注意して情報収集を行いましょう。

  • 立地と将来性:交通アクセス、商業施設、学校、病院などの周辺環境、都市開発計画などを確認します。
  • 物件の種類と制限:外国人でも購入可能な物件か、所有期間に制限がないかなどを確認します。特にコンドミニアム(アパート)は外国人購入が比較的容易ですが、戸建てや土地は制限が多い場合があります。
  • 開発業者の実績と信頼性:過去のプロジェクトの実績、財務状況、引き渡し実績などを確認します。
  • 管理体制:引き渡し後の管理体制や管理費、修繕積立金などについて確認します。

3.2 ステップ2 契約条件の交渉と合意

購入したい物件が決まったら、売主または開発業者との間で契約条件の交渉に入ります。

交渉の主な内容は、物件の売買価格、支払いスケジュール、引き渡し時期、家具・家電の有無、修繕義務などです。特に支払いスケジュールは、一括払いか分割払いか、開発の進捗に応じた支払いかなど、物件によって大きく異なりますので、自身の資金計画に合わせて慎重に交渉しましょう。

交渉がまとまると、一般的に予約契約書(Memorandum of Understanding: MOU、またはLetter of Intent: LOI)が締結されます。この段階で、物件価格の一部を予約金(Deposit)として支払うことが一般的です。予約契約書には、物件の詳細、売買価格、支払い条件、本契約締結予定日などが記載されますが、法的拘束力を持つ場合と持たない場合がありますので、内容をよく確認する必要があります。

この段階から、現地の法律に詳しい弁護士に相談し、契約内容の確認や法的リスクの評価を依頼することが強く推奨されます。特に外国人がベトナムで不動産を購入する際には、法的な専門知識が不可欠です。

3.3 ステップ3 手付金の支払いと本契約

予約契約書に基づき、いよいよ本契約(売買契約書:Sales and Purchase Agreement: SPA)の締結と手付金の支払いが行われます。

売買契約書は、ベトナム語で作成されるのが一般的ですが、正確な翻訳版も用意されるべきです。契約書には、物件の詳細情報、売買価格、支払いスケジュール、引き渡し条件、違約金規定、紛争解決条項、所有権移転登記に関する事項など、非常に重要な内容が盛り込まれています。

契約書の内容を弁護士に最終確認してもらい、疑問点や不明点は契約締結前にすべて解消することが重要です。特に、外国人による不動産所有に関する規定や、万が一の契約解除の場合の条件などをしっかりと理解しておく必要があります。

契約締結と同時に、物件価格の一定割合(通常は10%〜30%)の手付金(Deposit)を支払います。支払い方法は、通常、指定された銀行口座への振込となります。高額な資金移動となるため、送金ルートや手数料についても事前に確認しておきましょう。

3.4 ステップ4 残金決済と引き渡し

物件が完成し、引き渡しが可能となる時期が近づくと、残金の決済が行われます。

残金は、売買契約書に定められた期日までに、売主または開発業者の指定口座へ振り込む形で支払います。通常、残金決済と同時に物件の引き渡しが行われます。

引き渡しに際しては、物件の最終確認(インスペクション)を徹底して行いましょう。契約通りの設備が備わっているか、内装や設備に不具合がないか、修繕が必要な箇所はないかなどを細かくチェックします。もし不具合が見つかった場合は、引き渡し証明書に記載し、売主に対応を求めることができます。

確認が完了したら、鍵、アクセスカード、各種マニュアルなどを受け取り、電気、水道、ガスなどの公共料金メーターの確認と名義変更手続きを行います。また、管理費や修繕積立金などの精算もこの段階で行われることが一般的です。

最終的に、引き渡し証明書(Handover Protocol)を作成し、買主と売主(またはその代理人)双方が署名することで、物件の物理的な引き渡しが完了します。

3.5 ステップ5 不動産登記手続き

物件の引き渡しが完了したら、不動産の所有権移転登記手続きを行います。この手続きにより、法的に不動産の所有権が買主に移転し、公的に証明されることになります。

ベトナムでは、不動産の所有権を証明する最も重要な書類として、通称「ピンクブック(Land Use Rights and House Ownership Certificate)」と呼ばれるものがあります。これは日本の「権利証」に相当するもので、このピンクブックが発行されることで、名実ともに不動産の所有者となります。

所有権移転登記の申請は、通常、買主またはその代理人(現地の弁護士や不動産会社が代行することが多い)が、管轄の人民委員会または土地登記所に必要書類を提出して行います。

申請に必要な主な書類は以下の通りです。

  • 売買契約書(原本)
  • 買主の身分証明書(パスポートなど)
  • 手付金および残金の支払い証明書(銀行の送金記録など)
  • その他、申請に必要な関連書類(税金納付証明書など)

登記手続きには、数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。手続きの進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて追加書類を提出するなど、適切に対応することが重要です。ピンクブックが発行されたら、その内容を慎重に確認し、大切に保管しましょう。

4. ベトナム不動産投資で必要な書類一覧

使い古した書類があちこちに散らばっているイラスト

ベトナムで不動産投資を行う際、様々な段階で多種多様な書類の提出が求められます。これらの書類は、取引の合法性を確保し、所有権を明確にする上で不可欠です。ここでは、購入契約から登記、そしてその後の運用に至るまで、必要となる主要な書類について詳しく解説します。

4.1 購入契約時に必要な書類

ベトナムで不動産を購入する際、契約締結時には購入者の身元確認と支払い能力を証明する書類が求められます。これらの書類は、取引の透明性と合法性を確保するために不可欠です。

書類の種類主な内容と目的備考
有効なパスポート購入者の身元を証明する最も基本的な書類です。原本提示とコピーが必要です。有効期限に注意してください。
有効なベトナムビザ(必要な場合)ベトナムに合法的に滞在していることを証明します。観光ビザでは不動産購入が認められない場合があるため、適切なビザの種類を確認してください。
婚姻証明書または独身宣誓書購入者が既婚者か独身者かを確認し、不動産の所有権が単独か共有かを明確にします。日本の公証役場で取得し、外務省のアポスティーユ認証、ベトナム大使館の領事認証が必要となる場合があります。
居住証明書(一時滞在登録証など)ベトナム国内での合法的な居住地を証明します。居住地を管轄する公安(警察)で発行されます。
資金源証明書不動産購入資金の出所が合法であることを証明します。銀行残高証明書や海外からの送金証明書などが該当します。マネーロンダリング防止の観点から重要視されます。
購入契約書(ドラフト)売主と買主の間で合意された購入条件を記載します。ベトナム語で作成され、必要に応じて公証役場で認証を受けます。日本語訳も用意されることが一般的です。
委任状(代理人が手続きする場合)購入者本人が手続きできない場合に、代理人が手続きを行う権限があることを証明します。ベトナムの公証役場で認証を受ける必要があります。

4.2 登記手続きで必要な書類

不動産の購入が完了したら、所有権を正式に登記(登録)し、「ピンクブック」と呼ばれる不動産所有権証明書を取得する必要があります。この手続きには、契約時とは異なる、あるいは契約時に準備した書類の公証済み原本などが求められます。

書類の種類主な内容と目的備考
公証済み購入契約書売主と買主の間で締結された契約が正式に公証されたものです。ベトナムの公証役場で公証された原本が必要です。
売主の不動産所有権証明書(ピンクブック)売主が当該不動産の正当な所有者であることを証明する書類です。原本を提出し、買主への所有権移転の記録がなされます。
買主の身分証明書購入契約時と同様に、パスポート、ビザ、居住証明書などが必要です。これらの書類は、登記申請書に添付され、買主の身元確認に使用されます。
納税証明書不動産取得税(登録料)やその他の関連税金が支払われたことを証明します。税務当局が発行する領収書や証明書が必要です。
不動産登記申請書所有権移転登記を申請するための公式な書類です。管轄の土地登記事務所(Land Registration Office)で取得し、必要事項を記入します。
物件の図面および測量図不動産の正確な位置、境界、面積などを確認するための書類です。特に土地付き物件の場合に重要となります。
公証役場の証明書契約書以外の関連書類(委任状など)が公証されていることを証明する書類です。必要に応じて提出が求められます。

4.3 その他の関連書類

上記以外にも、不動産投資のプロセスやその後の運用において、状況に応じて様々な書類が必要となる場合があります。これらを事前に把握し準備しておくことで、手続きをスムーズに進めることができます。

書類の種類主な内容と目的備考
国際送金関連書類海外からベトナムへ、またはベトナムから海外へ資金を送金する際に必要となります。送金元の銀行からの送金指示書、受取銀行のSWIFTコード、口座情報などが含まれます。
ベトナム国内銀行口座開設に必要な書類不動産購入資金の管理や賃料収入の受け取り、諸費用の支払いなどに利用します。パスポート、有効なビザ、一時滞在登録証、勤務先からの証明書などが求められることがあります。
賃貸契約書(賃貸運用する場合)購入した不動産を賃貸に出す場合に、賃借人との間で締結する契約書です。ベトナムの法律に準拠した形式で作成され、公証が必要な場合もあります。
税務申告関連書類不動産からの賃料収入や売却益に対する税金を申告する際に必要となります。賃料収入証明、領収書、経費の明細などが含まれます。
物件管理委託契約書不動産の管理を専門の管理会社に委託する場合に締結する契約書です。賃貸管理、修繕、清掃などの業務範囲が明記されます。

これらの書類は、ベトナムの法律や規制、さらには個々の取引状況によって求められるものが異なります。常に最新の情報を確認し、専門家のアドバイスを得ることが重要です。例えば、ベトナムの法務省や建設省の公式ウェブサイトで、最新の不動産関連法規を確認することができます。

5. ベトナム不動産投資にかかる費用と税金

青色の屋根の一軒家があり、周りには木々やお金が置いてあるイラスト

ベトナムでの不動産投資を成功させるためには、物件価格だけでなく、購入から保有、そして売却に至るまで発生する様々な費用と税金を正確に理解しておくことが不可欠です。これらの費用は投資の最終的な利回りや収益に大きく影響します。ここでは、外国人投資家が特に注意すべき費用と税金について詳しく解説します。

5.1 購入時の諸費用と税金

ベトナムで不動産を購入する際には、物件価格以外にも様々な諸費用や税金が発生します。これらは購入手続きの各段階で必要となり、事前に予算に組み込んでおく必要があります。

5.1.1 主な購入費用と税金の種類

  • 付加価値税(VAT): 新築物件を購入する場合、物件価格に対して10%の付加価値税(VAT)が課されるのが一般的です。これは売主が納税義務を負いますが、実質的に買主が負担する形となります。中古物件の場合は原則として課税されません。
  • 登録料(Registration Fee): 不動産所有権の登記を行う際に発生する費用です。物件価格の0.5%が目安とされていますが、地域や物件の種類によって異なる場合があります。この費用は、不動産を所有する権利を正式に登録するために必要です。
  • 公証費用(Notary Fee): 売買契約書やその他の関連書類を公証役場で認証する際に発生する費用です。契約書のページ数や物件価格に応じて変動し、契約の法的有効性を確保するために重要です。
  • 弁護士費用: 契約内容の確認、法的なアドバイス、登記手続きの代行などを依頼する場合に発生します。特に外国人投資家にとっては、ベトナムの法律や慣習に不慣れな点が多いため、信頼できる弁護士への依頼が強く推奨されます。
  • 仲介手数料: 不動産仲介業者を通じて物件を購入する場合に発生します。一般的には売主から徴収されることが多いですが、買主から徴収されるケースや、双方から徴収されるケースもあります。契約前に手数料の負担者と料率を明確に確認することが重要です。
  • 印紙税(Stamp Duty): ベトナムでは、不動産取引における印紙税は特定のケースを除き、一般的には適用されません。ただし、関連する契約書や書類に別途費用が発生する可能性はあります。

以下に、購入時にかかる主な費用と税金の目安をまとめました。

費用・税金の種類概要税率・目安備考
付加価値税(VAT)新築物件購入時に課される消費税物件価格の10%売主が納税義務を負うが、買主が負担。中古物件は原則非課税。
登録料不動産所有権の登記費用物件価格の0.5%地域や物件の種類、価格帯により変動する可能性あり。
公証費用売買契約書などの公証費用契約書のページ数、物件価格による数百万ドンから数千万ドン程度が目安。
弁護士費用法的アドバイス、手続き代行など依頼内容や弁護士事務所による複雑な案件や高額物件では費用が高くなる傾向。
仲介手数料不動産仲介業者への支払い売主または買主から物件価格の1~3%契約前に負担者と料率の確認が必須。

これらの費用は、物件の価格や種類、契約内容、利用するサービスによって大きく変動するため、購入前に詳細な見積もりを取得し、総費用を正確に把握することが重要です。

5.2 保有時と売却時の税金

不動産を保有している間、そして将来的に売却する際にも、費用や税金が発生します。これらを考慮に入れることで、より現実的な投資計画を立てることができます。

5.2.1 保有時の費用と税金

  • 固定資産税: ベトナムでは、土地や建物に対する日本の固定資産税のような恒常的な税金は、現在のところ一般的に課されていません。ただし、土地使用料や一部の税金が土地所有者に課される場合があります。
  • 賃貸収入に対する個人所得税: 物件を賃貸に出して収入を得る場合、その賃貸収入に対して個人所得税が課されます。これは、個人の年間総所得に応じて累進課税が適用される場合があります。
    • 賃貸収入が月額1億VND(約50万円)以下の場合: 賃貸収入の5%が個人所得税、5%が付加価値税(VAT)として課税されます。これは、簡易課税制度に該当する場合です。
    • 賃貸収入が月額1億VND(約50万円)を超える場合: 事業所得として扱われ、より複雑な税制が適用される可能性があります。この場合、帳簿の作成や詳細な税務申告が必要となることがあります。
  • 管理費・修繕積立金: コンドミニアムなどの集合住宅では、共用部分の維持管理のために管理費や修繕積立金が毎月発生します。これは物件の規模や提供されるサービス(プール、ジム、セキュリティなど)によって異なります。

以下に、保有時にかかる主な費用と税金の目安をまとめました。

費用・税金の種類概要税率・目安備考
固定資産税土地・建物に対する税金一般的に課税なし土地使用料など一部費用が発生する場合あり。
賃貸収入に対する個人所得税賃貸収入に課される税金賃貸収入の5%(個人所得税)+ 5%(VAT)月額1億VND以下の収入の場合。それ以上は複雑な税制が適用。
管理費・修繕積立金集合住宅の維持管理費用物件やサービスによる月額数百ドル程度が一般的。

賃貸収入に対する税制は、個人の税務状況や収入額によって変動するため、必ず専門家(税理士など)に相談することをお勧めします。

5.2.2 売却時の税金

ベトナムの不動産を売却する際には、譲渡所得に対して個人所得税が課されます。これは、キャピタルゲイン税とも呼ばれるものです。

  • 不動産譲渡所得税(個人所得税): 不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課される税金です。
    • 税率: 譲渡価格(売却価格)の2%が一律で課税されます。これは、利益が出ているかどうかにかかわらず、売却価格全体に対して課される点が特徴です。
    • 納税義務者: 売主が納税義務を負います。通常、売却代金から源泉徴収される形で徴収されます。

以下に、売却時にかかる主な税金の目安をまとめました。

税金の種類概要税率・目安備考
不動産譲渡所得税不動産売却益に課される税金売却価格の2%利益の有無にかかわらず売却価格全体に課税。売主が納税義務を負う。

ベトナムの税法は頻繁に改正される可能性があるため、売却を検討する際には、必ず最新の税法を確認し、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。

ベトナムの税制に関する詳細情報は、ベトナムの税務当局や専門機関のウェブサイトで確認できます。例えば、ベトナム税務総局 (General Department of Taxation)や、JETRO(日本貿易振興機構)などの公式情報を参照することをお勧めします。

6. ベトナム不動産投資のリスクと注意点

広い庭に黒い屋根の一軒家があり、その周りに赤い花や木々が植えられている、上には複数のお札が飛んでいく様子が見られるイラスト

どのような投資にもリスクは伴いますが、海外、特にベトナムのような新興国における不動産投資には、日本国内とは異なる特有のリスクが存在します。これらのリスクを事前に理解し、適切な対策を講じることが、成功への鍵となります。

6.1 法改正リスクと為替変動リスク

ベトナムの不動産市場は急速に発展している一方で、法制度はまだ発展途上にあり、頻繁に改正が行われる可能性があります。これにより、投資計画に予期せぬ影響が生じるリスクがあります。

ベトナムの土地は国家所有であり、外国人は土地の使用権を得る形で不動産を所有します。この外国人に対する不動産所有に関する規定は、過去にも改正が繰り返されてきました。例えば、2014年の住宅法改正では、外国人の不動産所有が以前よりも緩和されましたが、将来的に規制が強化される可能性も否定できません。

具体的には、以下のような法改正が投資に影響を与える可能性があります。

  • 外国人の不動産所有期間や所有可能な物件数の制限の変更
  • 不動産取引に関する税制の変更(取得税、保有税、売却益税など)
  • 賃貸収入に関する税制の変更
  • 外貨送金規制の変更

これらの法改正は、投資物件の収益性や売却時の利益に直接影響を与えるため、常に最新の法規制情報を収集し、専門家のアドバイスを受けることが不可欠です。

また、為替変動リスクも無視できません。ベトナムドン(VND)と日本円(JPY)の為替レートは日々変動しており、これが投資元本や収益に大きな影響を与えます。

  • 購入時:日本円をベトナムドンに両替して物件を購入する際、購入時のレートが不利であれば、実質的な購入費用が増加します。
  • 賃料収入受取時:ベトナムドンで得た賃料収入を日本円に両替する際、円高ドル安(ドン安)であれば、日本円での受取額が減少します。
  • 売却時:物件を売却して得たベトナムドンを日本円に両替する際、同様に円高ドル安(ドン安)であれば、日本円での受取額が減少します。

為替レートの変動は予測が困難であり、投資家自身がそのリスクを認識し、分散投資や為替ヘッジの検討など、リスク軽減策を講じることが重要です。

6.2 信頼できるパートナー選びの重要性

ベトナムでの不動産投資は、現地の法制度、商慣習、言語の壁など、日本とは異なる多くの課題に直面します。そのため、信頼できる現地のパートナーを見つけることが、投資を成功させる上で最も重要な要素の一つとなります。

具体的には、以下のような専門家との連携が不可欠です。

  • 不動産会社:物件の選定、価格交渉、契約手続き、賃貸管理、売却サポートなど。
  • 弁護士:契約書のリーガルチェック、法的アドバイス、登記手続きのサポートなど。
  • 会計士・税理士:税務申告、税金に関するアドバイスなど。

悪質な業者や知識不足のパートナーを選んでしまうと、以下のようなトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

  • 詐欺や横領:手付金や購入代金をだまし取られる、物件が適切に登記されないなど。
  • 不正確な情報提供:物件情報、法規制、市場動向に関する誤った情報による損失。
  • 契約不履行:契約内容が履行されない、不当な手数料を請求されるなど。
  • 管理不備:賃貸物件の入居者トラブル、修繕対応の遅れなどによる収益悪化。

信頼できるパートナーを選ぶためには、以下の点に注意して選定を進めましょう。

確認項目具体的な内容注意点
実績と経験ベトナムでの不動産取引の実績、外国人投資家へのサポート経験が豊富か。新規参入業者や実績が不明確な業者には注意。
ライセンスの有無不動産取引に必要な政府公認のライセンスを保有しているか。公式な認可を受けているかを確認。
日本語対応日本語でスムーズなコミュニケーションが可能か。専門用語も理解できるか。誤解を防ぐため、日本語での対応能力は重要。
透明性手数料体系やサービス内容が明確か。情報開示に積極的か。不明瞭な費用や説明不足は警戒すべき。
評判と口コミ過去の顧客からの評価やインターネット上の口コミを確認する。複数の情報源から確認し、偏った情報に惑わされないように。
専門知識ベトナムの不動産法規、税制、市場動向に関する深い知識があるか。質問に対して的確かつ迅速に回答できるか。
現地ネットワーク現地の弁護士、会計士、建設会社などとの連携体制が整っているか。包括的なサポートを提供できるかを確認。

複数の候補から比較検討し、実際に現地を訪問して担当者と直接会うことも重要です。また、契約書の内容は必ず弁護士にリーガルチェックを依頼し、不明な点や不利な条項がないかを確認しましょう。デューデリジェンス(適正評価手続き)を怠らず、徹底的な情報収集と検証を行うことが、リスクを最小限に抑えるための鉄則です。

7. まとめ

大きな道路を挟み、たくさんの家が奥までズラリと並んで建っている、右側の奥には高層ビルも複数建っているイラスト

ベトナム不動産投資は、高い経済成長と人口増加を背景に、魅力的な機会を提供します。

しかし、外国人による所有権の制限、複雑な購入プロセス、多岐にわたる必要書類、法改正や為替変動リスクなど、特有の課題も存在します。
本ガイドでは、安全かつ円滑に投資を進めるためのステップ、必要書類、費用、そして注意点を網羅的に解説しました。
ベトナムでの不動産投資を成功させるには、正確な情報収集と、現地の法規制や商慣習に精通した信頼できるパートナーの存在が不可欠です。

この記事が、あなたのベトナム不動産投資における最初の一歩を確かなものとし、将来の資産形成に貢献することを願っています。